微熱 ア・イ・ス・ル・ヒ・ト・ヘ
to my beloved 5
残りの麦茶を飲み干し、カズキは逃げる様に家に帰る。
それからの2人。
一緒にゲームをして、一緒にビデオを観て、一緒に渋谷をブラ
ついて、仲の良い幼い兄妹のように家でまったりしたり、
サキにはマサミと言う親友がいて、カズキとの関係が始まって
も、マサミやその仲間達とつるんでいたし、
カズキはカズキで、近所の大学生にサーフィンを教えて貰った
り、相変わらず楽器屋で仲間たちと溜まる事は止めなっかた。
よく2人でパーティーに顔を出しては酔って帰ったり、
神社の秋祭りで、浴衣姿でお囃子に合わせ、おどけながらパラパ
ラを踊り、回りから大喝采を浴びるサキとマサミ。
カズキはそんなサキが大好きでたまらなかった。
サキもカズキには本当の笑顔を隠さなかった。
夢のように断片的に流れ行く時間の魔法。
ただ2人は不思議とケンカをした事がない。
カズキが犯したたった1つの過ち。
サキにシンナーだけは止めて欲しいと言った事。
「ウン。わかった。もうやらないよ」
「ア・イ・シ・テ・ル」
「わ・た・し・も・だ・よ。I love you, more than you.
I love you, more than you、、、」
サキがカズキに繰り返し聴かせた秘密の呪文。
でもカズキには、サキにしか分からない痛みを感じる事ができ
ない。
幼い2人には別れも突然やって来る。
ただ幼かったのはカズキだけだったのかも知れない。
to be continued...
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